夢買いの効果

夢買いの効果

kesyouhin

ふだんは男よりケチな女が、化粧品あるいは化粧の方法にかける情熱は、驚くほどのものだ。

お陰で化粧品産業は、日本でも大きな産業になった。化粧品の広告に費やされる費用も莫大なものだ。

化粧をしないと生きる喜びが減ると答える女性たちを、広告に騙された女、抑圧されたつくられた女、と笑うのはやさしい。

けれども、過剰な広告に惑わされることと、自分のために化粧をすることの間には、かなりの距離がある。

女が化粧品に喜んで払うお金の中には、自分を支える自信の代価、というものがふくまれている。

少し高いけれど、これできれいになって気持がシャンとするならいいじゃない、というわけだ。

高価な化粧品が売れる陰には、この自信作用がある。

これは、かなり目的意識をもって化粧する女性の間に見られる傾向だ。

それよりもう少し漠然としたものが、なんとなく自分が美しくなり、化粧するつかの問だけでもあたりがバラ色になる、この一瞬を手に入れるのが化粧であり、化粧品を使うことだ。

夢買いだから、化粧品の容器は美しくなければならない。夢を説いているからには、容器は女の美的水準をクリアしている必要がある。

中身さえよければ外装は考えないという考え方は、この分野では当分通用しそうにない。

自信強化作用は、広告の力でさらに増幅される。

化粧品の高級化、高額化、細分化の傾向は、自分のお金をもつ女がふえるにつれて、主な女の社会的活動が増えるにつれて、まだ当分広がるだろう。

それだけにいっそう、化粧品を販売する側は、消賞者である女に、心理的期待に問いかけるだけでなく、科学的にも効果がなければいけない責任がある。

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