より美しく見せたい

より美しく見せたい

kesyouhin

かりに、男女差別のまったくない時代がきても、女のほうが自分の美の保持に熱心だという状況は、やはり残るのじゃないか。

ひとつには、それは女性と男性という二つの生物では、女のほうが肉体的に美しいという、単純で基本的な事実からきていると思う。

ギリシャ時代のように、男性美が美の最高基準だった時代があったにしても、人間の歴史の大部分は、女性の美を最高のものとして崇拝してきた。

自分のからだが美しいなら、それをより美しく、より長く保とうという欲求を女がもつのも、当然ではないか。

そのために人間は昔から、いろんな道具を作り、薬品を工夫してきた。

エジプトの女の目の化粧、ギリシアの女のビューティーマスクや紅、ローマの女の美顔料。

美しいことを求めるのは、人間にとって基本的な欲求だ。

アフリカの原野に住む原始的な種族だって、顔を彩り、小石や卵の殼のネックレスで身を飾る。

したがって、化粧を禁じられる社会や、着るものや髪の結い方に制限がつけられる社会は、住む者に窮屈を感じさせる。

受刑者の人権を認めるためには、女囚に自由に化粧させるべきだろう。

中国で、画一的な人民服の中から、小さなおしゃれやささやかな化粧が芽生えはじめたというのも、ごく自然で人間的ななりゆきだ。

同時に、女性がほとんどおしゃれをしない清潔な中国と新聞がほめても、多くの日本の女は、そこに住む自分自身を想像できないのもまた事実だと思う。

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